私は短大を卒業後、東京の行政機関で3年ほど働いていました。しかし、働くうちに地元の福島で暮らしたいと感じるようになり、転職を決意しました。福島で再び公務員になることも考えましたが、生活に不可欠な「お金」を通じてたくさんの人の支えになりたいと思い、東邦銀行へ。面接の際にリラックスして話せる雰囲気を作ってくれたことにも好感を持ちました。人事の方は私の前職の経験を活かして会計業務を勧めてくれましたが、まずは銀行の現場で経験を積んでみたいと希望を伝えたところ、北福島支店に配属が決まりました。

北福島支店では出納補助に続いて融資業務を経験。周囲の人を気にかけてサポートしたり、チームワークを重視する支店の雰囲気のなかで、安心して働くことができました。行政機関に比べるとケースに応じて柔軟に対応できる部分もやりがいを感じたポイントです。だからこそ、小さなことでも求められた仕事以上の何かをプラスして返すことを心がけました。こうして融資窓口で個人のお客さまのローンのご相談を受け付けるなかで、この分野の専門性をもっと高めたいという思いが強まりました。そこで入行3年目に公募制度（現：キャリア申告制度）を活用し、いわき鹿島ローンセンターへ異動することになったのです。

いわき鹿島ローンセンターは、個人向けローンを取り扱う専門部署です。東邦銀行本部で融資の可否を審査するための準備として、さまざまな情報を確認する役割を担っています。案件のフローとしては事前申込み・正式申込み・契約という流れで進んでいき、1日に受け付ける事前申込みは5件以上になることも。各案件のスケジュールを管理しながら並行して数十件を進めていくことの大変さは感じるものの、一般店舗と比べて格段に多くの案件に携われるので、それだけ学べることも多いです。土日もシフト制で営業している店舗なので、メンバー同士の情報連携やチームワークを大切にしています。

私たちが対応するお客さまの多くは、住宅を購入されるお客さまです。誰であろうと大きな買い物は尻込みしてしまうものですが、私たちが関わることで夢を形にできて、お客さまに喜んでいただけることが何よりのやりがいです。お客さまから「夢を叶えてくれてありがとう」と直接声をかけていただけたり、実際に完成したお家を目の当たりにする機会も。そういうことは何度経験してもうれしいものです。

これまでの仕事を通じて、ローン受付の知識はかなり深めることができたと感じます。今後は採用された時に声をかけてもらった会計業務にも挑戦してみたいです。

福島に戻ってから3年が過ぎましたが、東京暮らしを経験したからこそ、あらためて福島での生活の魅力を実感しています。自然が豊かで、食べ物がおいしくて。そして何より、県民性なのか親切で温かい人が本当に多いんです。そういう人たちに囲まれていると私も自然体でいられるので、職場でもプライベートでも穏やかな気持ちで過ごせています。もちろん、東京は便利で楽しい場所なので、今でも時々遊びに出かけますが、生活の場としての福島の魅力には敵わないと個人的には思います。そんな福島に暮らす人々のサポートができるこの仕事も、また魅力的です。

公務員としての恵まれた待遇を捨てることをもったいないと言う人もいましたが、私はやっぱり東邦銀行での仕事と福島での生活を選びます。心身ともに健やかに過ごせることが一番大切ですから。先日、東京でできた友人が福島に遊びに来てくれたのですが、「こんなに元気な陸を初めて見たよ」と言われたくらい、今の生活は充実しています。